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2025年8月の #読了
今月も長いので折りたたみ。というより今後ずっとそうなる気がする。

自分のために
純文学を2冊とホラー小説を2冊読んだ。特筆すべき事項として、読みたいリストに入れていたハン・ガンの「少年が来る」を読んだ。ハン・ガン作品はいつも、没入感のあとに押し寄せる巨大で重たい何かを引きずることになる。
◆小島:小山田浩子
「小島」「ヒヨドリ」「ねこねこ」「けば」「土手の実」「おおかみいぬ」「園の花」「卵男」「子猿」「かたわら」「異郷」「継承」「点点」「はるのめ」
前に図書館で借りたが殆ど読めぬまま返却した、と思っていたのだが、「かたわら」の途中まで読み進めていたことに気づいた。
心がざわざわする良作が多いのだが、なぜか、この時期少しスランプ気味だったのではと思ってしまう。もっと大きなものをこの人に期待しているせいか。大きなものを見いだすのは読み手にかかっているということか。 好きだった作品。
「けば」ひりつくような、しょうもない人間関係の一方、ゆったり死んだまま正体不明の毛羽立った存在に分解されゆく死骸の自由さ。
「土手の実」突然出現した樹になっていた正体不明の実。移ろいゆくもの。
未熟な猿真似の子育てを野生の猿に看破されているかのような「子猿」をそのように読む人はどれくらいいるのだろうか。
◆撮ってはいけない家:矢樹純
◆或る集落の●:矢樹純
「或る集落~」の発売前PRとして冒頭が公開されており、風景描写などの端正さもなかなかで面白そうだったので前作と共に借りてきた。同時に読んでいたのがハン・ガンなので描写がいいと言ってもやはり紋切り型の表現が目立つのは仕方ない。連作短編集「●」はなかなか味わい深い謎めいた余韻で好みだった。ばらばらに作られたものを共通の登場人物で繋ぐ手法で、すっきり謎解きがなされるわけではない。反対に、探偵役がいる「家」の方は次から次へと謎や不気味な事象が生じて終始緊張感があるが、全体を通じた主題のようなものは曖昧で、澤村伊智の比嘉姉妹シリーズのようなメッセージ性を期待すると少々物足りないか。
◆少年が来る:ハン・ガン
読みたいリストに入れていた一冊。ハン・ガンは「ギリシャ語の時間」「回復する人間」「菜食主義者」が既読、かな。光州事件を題材に、聞こえない声を丁寧に聴き取り、殺された者、生き残った者、何かを喪った者たちの断章を書く。文章力、という言葉は底が浅い気がして、特に文学作品に対しては使いたくないのだが、いやこれは文章力だ。文章の力であると思う。

塔のように積み重なる声。
 皆さん、赤十字病院に安置されていた、愛するわが市民たちが今ここにやって来ています。
 女性のリードで愛国歌の斉唱が始まる。数千人の声が、高さ数千メートルの塔のように幾重にも積み重なって女性の声を覆ってしまう。ひどく重々しく上昇した後に絶頂から決然と吹き下りるそのメロディーを、君も低い声でなぞって歌う。

何度も折って……。
 ソウル市役所前に着くと、体格のがっしりした私服警官が彼女の前に立ちはだかる。
 かばんを開けてください。
 こんな瞬間には自分の一部をしばらく引き離しておかなくてはいけないことを彼女は知っている。何度も折ってできた線に沿ってたやすく折り畳める紙のように、意識の一部が彼女から抜け落ちていく。恥ずかしがることなく、彼女はかばんを開けて中を見せる。ハンカチとアカシア味のガムとペンケースと仮製本、かさついた唇に塗るワセリンと手帳と財布が入っている。

投獄の記憶。
 だから、兄貴、魂なんてもんは、何でもないってことかな。
 いや、それは何かガラスみたいなものかな。
 ガラスは透明で割れやすいよね。それがガラスの本質だよね。だからガラスで作った品物は注意深く扱わなくてはいけないよね。ひびが入ったり割れたりしたら使えなくなるから、捨てなくてはいけないから。
 昔、僕たちは割れないガラスを持っていたよね。それがガラスなのか何なのか確かめてみもしなかった、固くて透明な本物だったんだよね。だから僕たち、粉々になることで僕たちが魂を持っていたってことを示したんだよね。ほんとにガラスでできた人間だったってことを証明したんだよね。

私にも覚えがある、トラウマをこんなに的確に表現した文章を他に知らない。
その夢すらも開いて外に出ると、ついに最後の夢が待っている。灰白色の街灯の下で暗闇を見つめながら、あなたは突っ立っている。
 目覚めに近づくほど、夢はそんなふうに残酷さが弱まる。眠りはさらに浅くなる。書道半紙のように薄くなってカサカサ音を立てているうちに、ついに目が覚める。悪夢なんかどうということもないと悟らせる記憶の数々が、静かにあなたの枕元で待っている。

光州事件で命を落とした、数えで15歳だった少年の母の声で物語──と言っていいのか──は終わる。
 どうしたことか、母ちゃんが三十路のときに末っ子のおまえを産んだんだよ。母ちゃんは生まれつき左の乳首の形が変てこで、おまえの兄ちゃんたちはお乳がよく出る右のおっぱいばかり吸ったんだよ。母ちゃんの左のおっぱいはぱんぱんに張るばかりで赤ちゃんが吸ってくれないものだから、柔らかい右のおっぱいと違ってすっかり硬くなってしまってね。そんなふうに左右が不ぞろいのみっともないおっぱいで何年か暮らしたんだ。でもおまえは違ってた。左のおっぱいを向けたら向けたなりに、変てこな形の乳首をほんとに素直に吸ってくれたんだ。それで両方のおっぱいが同じように柔らかく垂れ下がったんだよ。
 どうしたことかお乳を飲むときに、おまえはにこにことよく笑ったものだよ。においの良い黄色いうんちを布おしめにしたよ。動物の赤ん坊みたいに四つん這いであちこち動き回って、 何でも口に入れたよ。そうしているうちに熱を出したら顔が青ざめて、ひきつけを起こしては酸っぱいにおいのするお乳を母ちゃんの胸に吐いたものだよ。どうしたことか、おっぱいから離れたとき、おまえは爪が紙みたいに薄くなるまで親指をおしゃぶりしたよ。あんよ、こっちにあんよ、手をたたく母ちゃんの方に一歩、二歩とよちよち歩きをしたものだよ。にこにこしながら七歩あんよして、母ちゃんに抱っこされたんだよ。
 八つになったときにおまえが言ったんだ。僕、夏は嫌いだけど、夏の夜は好き。どうってこともないその言葉が耳に心地良くてね、母ちゃんはおまえが詩人になるかも、とひそかに思ったものだよ。夏の夜、庭の縁台で父ちゃんと三人兄弟がそろって西瓜を食べたときに。口元にべとべとくっついた甘い西瓜の汁をおまえが舌の先でぺろぺろなめたときに。

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子のために
◆どのはないちばんすきなはな?
◆ももも
◆ぱたぱたえほん
◆はしるのだいすき
◆スプーンちゃん
◆だーれのおしり?
◆はんぶんこ
◆でてこいでてこい
◆へびにゅにゅにゅ
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その他
今月もアレルギー関連の本を。
◆専門医ママが教える!子どものアレルギーケア:岸本 久美子
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2025年7月の #読了
今月は長いので折りたたみ。読み聞かせの絵本は数があるので、今後も折りたたみ形式になるものと思う。

自分のために
純文学では短篇をたくさん読んだ。その他、書店でインパクトのある装丁に惹かれて内容も気になっていた「魚が存在しない理由」も読了。
◆ものごころ:小山田浩子
「はね」「心臓」「おおしめり」「絵画教室」「海へ」「種」「ヌートリア過ぎて」「ものごころごろ」
◆池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第3集05 短篇コレクションⅠ
図書館で借りること三度目にしてようやく読了。
再読のコルタサル「南部高速道路」(木村榮一訳) 前に見つけた誤植と別の脱字を見つける。初めて読んだときの鮮烈な印象をもう一度味わえたらなあ。こんなにたびたび再読していたら無理か。好きな短篇、でもコルタサルで一番好きな短篇というわけではない。

これも再読のオクタビオ・パス「波との生活」(野谷文昭訳)、マラマッド「白痴が先」(柴田元幸訳)、フアン・ルルフォ「タルパ」(杉山晃訳)。
「波との生活」は最初に読んだときとは印象が大きく異なり、最後に氷像と化した波を近くのレストランに売り払ってしまうのが酷いように思った。海に返してはやれないのだろうか。詩人だけあって詩的かつ幻想的に美しく描かれているのだが、筋書きとそれが表しているものを考えると、だから何なの、でないこともない。「白痴が先」は何か引っかかるものがあるように思ったのだが忘れてしまった。ルルフォの作品は本当に再読に耐える(と思う)。

以下は今回初めて読んだものたち。ただ「夜の海の旅」はどこかで読んだことがあるような。
「色、戒」張愛玲/垂水千恵
「肉の家」ユースフ・イドリース/奴田原睦明訳
「小さな黒い箱」P・K・ディック/浅倉久志訳
「呪(まじな)い卵」チヌア・アチェベ/管啓次郎
「朴達(バクタリ)の裁判」金達寿
「夜の海の旅」ジョン・バース/志村正雄
「ジョーカー最大の勝利」ドナルド・バーセルミ/志村正雄
「レシタティフ─叙唱」トニ・モリスン/篠森ゆりこ
「サン・フランシスコYMCA讃歌」リチャード・ブローティガン/藤本和子
「ラムレの証言」ガッサーン・カナファーニー/岡真理
「冬の犬」アリステア・マクラウド/中野恵津子
「ささやかだけれど、役にたつこと」レイモンド・カーヴァー/村上春樹
「ダンシング・ガールズ」マーガレット・アトウッド/岸本佐知子
「母」高行健/飯塚容訳
「猫の首を刎ねる」ガーダ・アル=サンマーン/岡真理
「面影と連れて(うむかじとぅちりてい)」目取正俊

◆魚が存在しない理由:ルル・ミラー/上原裕美子
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子のために
図書館で絵本を借りてきてたくさん読んだ。
◆ひよこさん(福音館書店0.1.2.えほん):征矢清/林明子(絵)
◆つんこんぱっ(福音館書店0.1.2.えほん):こぺんなな
◆ごぶごぶごぼごぼ(福音館書店0.1.2.えほん):駒形 克己
◆ぱっちりおはよう(福音館書店0.1.2.えほん):増田 純子
◆パンふわふわ(講談社の幼児えほん):彦坂有紀/もりと いずみ(絵)
◆カラフル(すこやかあかちゃんえほん4 岩崎書店):新井 洋行
◆おつきさまこんばんは(福音館書店):林明子
◆めとめがあったら(ブロンズ新社):おくむら けんいち/マッティ・ピックヤムサ(絵)
◆おやさいとんとん(ママと赤ちゃんのたべもの絵本2 岩崎書店):真木文絵/石倉ヒロユキ(絵)
◆おさかなちゃんのじょうずじょうず(学研プラス 0・1・2さい[ちっちゃなおさかなちゃんの本]):ヒド・ファン・ヘネヒテン/古藤ゆず(翻案)
◆へんしん うみのいきもの(ほるぷ出版):三浦 太郎
◆すいぞくかん(マルジュ社 かがみのくに):藤田伸
◆くだものいろいろかくれんぼ(ポプラ社 これなあに?かたぬきえほん):いしかわ こうじ
◆フライパン(しかけえほん WORK×CREATEシリーズ コクヨ):きのしたけい/moko(絵)
◆あそぼうよ(好学社):レオ=レオニ/谷川俊太郎
レオ=レオニの描く、どこかとぼけた感じのするねずみたちが、今日は何をして過ごそうかと話し合う絵本。絵がとても可愛らしく、芸術的な色遣い。乳児ウケはやや微妙だった。
◆きょうのおやつは(かがみのえほん, 福音館書店):わたなべ ちなつ
ページの片側が鏡面になっていて、垂直に立てることで見開きのもう半分に描かれたイラストが左右対称に映し出され、絵が完成するという仕掛け絵本。今日のおやつはホットケーキ。鏡に映すと卵はふたつに、フライパンは丸く、ホットケーキも丸く、最後のお茶とお皿は2人分。とても面白いのだが、子はにぶく輝く鏡に夢中でまだ絵本のギミックを楽しむには至らず。
◆いっぱいあるよ!おでかけどれにする?(偕成社):てづか あけみ
今日のお出かけで乗っていく乗り物、持って行くおもちゃ、行き先、行き先での過ごし方など、選択肢のイラストがたくさん、ページいっぱいに描き込まれた絵本。色合いも鮮やかで、これは喜ぶのではと思ったが反応はそうでもなかった。
◆ぞうのエルマー エルマーのいちにち(BL出版):デビッド マッキー/きたむら さとし
ビビッドな体色を持つ象のエルマーが一日を過ごすお話。やや食いつきよし。それにしてもエルマーは、普通の体色の仲間たちとするかくれんぼで著しく不利である。
◆おべんとうバスのかくれんぼ(ひさかたチャイルド):真珠 まりこ
お弁当の中身たちがかくれんぼをするお話。エビフライやブロッコリーなど、上手く隠れていて面白い。大きめの絵本で、線が太く、色合いも鮮やかなためか喜んで見ていた。
◆はこあけて(あけてえほん図書, 偕成社):新井 洋行
お道具箱、ケーキの箱、おもちゃ箱、お弁当箱が描かれ、ページをめくるとパカッと箱が開いて中身が飛び出す絵本。たまたまだと思うがケーキとお弁当のページで口をモグモグ動かす。
◆Sassyのあかちゃんえほん ちゃぷちゃぷ
同じシリーズの「にこにこ」が子のファースト絵本で、特にお魚のページのとても反応が良かったので期待して借りる。やはり乳児の興味を惹きつけるようにできているのかじっと見ているが、嬉しそうに笑ったり声を立てたりという反応はなし。
◆がたんごとんがたんごとん(ボードブック版, 福音館書店):安西 水丸
絵は地味な感じで、ボードブック版なので小型だしどうかなと思いつつ読み聞かせ。結論から言うと非常に気に入ったようだったので何度も読んだ。がたんごとんという音の繰り返し、少しずつ乗客(?)が増えていくシンプルな展開が乳児にも楽しめるのかもしれない。
◆とっくん(こどものとも0.1.2(2024年2月) 福音館書店):駒形 克己
抽象的な円や楕円、ひょうたんのような形が描かれた各ページに、丸みを帯びたいびつな形の穴があいていて、穴から見える色や「とくん、とっくん、ととととと、どっくん」という鼓動のようなオノマトペが入っている。こんな抽象的で地味な感じのものはさすがにウケないだろうなと思いつつ、自分の感性で選ぶと偏るからと思い、とりあえず借りたのだったが今回借りたなかで一番反応が良かったのが意外にもこれだった。

乳児目線では何が刺さるかわからない。ただ傾向として言えるのは、やはり月齢相当のものが総じて良い反応を得られた(と書くと何だか自分の子で実験でもしているかのようであるが)。絵を見て楽しむ分には少し対象年齢が上のものでもいいのではないかと思っていたが、逆にもう少し大きくなったらつまらなくなってしまうようなものをたくさん読み聞かせしておくべきなのだろうと思う。
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その他
子の食物アレルギーで塞いだ気を取り直してアレルギーやアトピーに関する書籍を読む。そういえば、家庭医学や育児に関する本を読むという発想がこれまでなかった。
◆アレルギーのない子にするために1歳までにやっておきたいこと15:古賀 泰裕
◆ステロイドの真常識 アトピーのある子のスキンケア:岡藤 郁夫
◆赤ちゃんと子どものアレルギー&アトピーBOOK:永倉俊和(監修)
◆食物アレルギーの悩みを解消する!最新治療と正しい知識 安全な食べ方が分かる本:海老澤 元宏(監修)

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読書ログの記事の中で少し触れた(私個人が、今後)死ぬまでに読みたい文学作品リストもここで #記録 ・アップデートしていこうと思います。

名作リストとしての汎用性はありません。作家一人につき1〜2作までとし、未読の有名どころを挙げただけの、あくまで自分のための課題図書のような感じ。手を出しづらい作品も多いので、重い腰を上げるきっかけに。
読んでみたら何ということはなかった、もっと早く読めばよかった、という作品も多いのですが。

なおオリジナルが書かれた言語で分類しており、同一カテゴリ内においても作家の国籍・民族・人種といったバックグラウンドは多種多様です。一部不正確である可能性があるため随時修正します。

読んだもの(ひとまず《通読したもの》と定義)は太字にしています。

英語
Atwood, Margaret マーガレット・アトウッド
  侍女の物語 (1985)/岸本佐知子
Austen, Jane ジェイン・オースティン
  高慢と偏見 (1813)
Auster, Paul ポール・オースター
  ムーン・パレス (1989)
Capote, Truman トルーマン・カポーティ
  草の竪琴 (1945)/
  「ティファニーで朝食を」 Breakfast at Tiffany's (1958)/村上春樹
Chatwin, Bruce ブルース・チャトウィン
  パタゴニア (1977)/芹沢真理子
Coetzee, J.M. クッツェー
  「鉄の時代」 Age of Iron (1990)/くぼたのぞみ
  恥辱(1999)/鴻巣友季子
Conrad, Joseph ジョセフ・コンラッド
  ロード・ジム (1900)/柴田元幸
Faulkner, William ウィリアム・フォークナー
  アブサロム、アブサロム! (1936)/篠田一士
Forster, E.M. フォースター
  ハワーズ・エンド (1910)/吉田健一
Gordimer, Nadine
  バーガーの娘 (1979)/佐藤芳明
Hemingway, Ernest アーネスト・ヘミングウェイ
  日はまた昇る(1926)
Ishiguro, Kazuo カズオ・イシグロ
  充たされざる者 (1989)
Joyce, James ジェームズ・ジョイス
  若き芸術家の肖像 (1916)
  ユリシーズ (1922)
McCarthy, Mary メアリー・マッカーシー
  アメリカの鳥 (1963)/中野恵津子
Morrison, Toni トニ・モリスン
  「青い眼が欲しい」 The Bluest Eye (1970)
  ビラヴド (1987)
Naipaul, V.S. ナイポール
  ミゲル・ストリート (1959)/小沢自然
  ビスパス氏の家 (1961)/北川和子
Pynchon, Thomas トマス・ピンチョン
  重力の虹 (1973)
  ヴァインランド (1990)/佐藤良明
Rhys, Jean ジーン・リース
  サルガッソーの広い海 (1966)
Updyke, John ジョン・アップダイク
  クーデタ (1978)/池澤夏樹
Woolf, Virginia ヴァージニア・ウルフ
  灯台へ (1927)
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スペイン語
Allende, Isabel イサベル・アジェンデ
  精霊たちの家 (1982)/木村榮一
Fuentes, Carlos カルロス・フエンテス
  老いぼれグリンゴ (1985)/安藤哲行
García Márquez, Gabriel ガブリエル・ガルシア=マルケス
  百年の孤独 (1967)
  族長の秋(1975)
Paz, Octavio オクタビオ・パス
  孤独の迷宮 (1950)/桑名一博
  太陽の石 (1957)/安藤哲行
Vargas Llosa, Mario バルガス・リョサ
  楽園への道 (2003)/田村さと子
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ポルトガル語
Saramago, José ジョゼ・サラマーゴ
  「白の闇」 Ensaio sobre a cegueira  (1995)
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フランス語
Camus, Albert アルベール・カミュ
  「ペスト」 La Peste (1947)
Céline, Louis-Ferdinand セリーヌ
  夜の果てへの旅 (1932)
Condé, Maryse マリーズ・コンデ
  わたしはティチューバ (1970)
Duras, Marguerite マルグリット・デュラス
  太平洋の防波堤 (1950)/田中倫郎
  愛人 ラマン (1984)/清水徹
Gide, André アンドレ・ジッド
  狭き門 (1909)
Le Clézio, J.M.G. ル・クレジオ
  沙漠 (1980)/豊崎亜希
  黄金探索者 (1985)/中地義和
Modiano, Patrick パトリック・モディアノ
  暗いブティック通り (1978)/高遠弘美
Ndiaye, Marie ンディアイ
  三人の逞しい女 (2009)/小野正嗣
Nizan, Paul
  アデン、アラビア (1931)/小野正嗣
Rouaud, Jean
  名誉の戦場 (1990)/北代美和子
Sartre, Jean-Paul ジャン=ポール・サルトル
  「嘔吐」 La Nausée (1938)
Stendhal スタンダール
  赤と黒 (1830)
Tournier, Michel ミシェル・トゥルニエ
  フライデーあるいは太平洋の冥界 (1967)/榊原晃三
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ドイツ語
Beyer, Marcel マルセル・バイアー
  夜に蘇る声 (2000)
Grass, Günter ギュンター・グラス
  ブリキの太鼓 (1959)/池内紀
Handke, Peter ペーター・ハントケ
  反復 (1986)
Jelinek, Elfriede エルフリーデ・イェリネク
  ピアニスト(2002)
Kafka, Franz フランツ・カフカ
  「審判」 Der Process (1925)
  城 (1926)
Mann, Thomas トマス・マン
  魔の山 (1924)/高橋義孝
  ヴェニスに死す (1912)/実吉捷郎
Müller, Herta ヘルタ・ミュラー
  心獣 (1989)
Wolf, Christa
  カッサンドラ (1983)/中込啓子
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イタリア語
Buzzati, Dino ディーノ・ブッツァーティ
  タタール人の砂漠 (1940)
Calvino, Italo イタロ・カルヴィーノ
  「みえない都市」 Le Città Invisibil (1972)/米川良夫
Ginzburg, Natalia
  モンテ・フェルモの丘の家 (1963)/須賀敦子
Morante, Elsa
  アルトゥーロの島 (1957)/中山エツコ
Moravia, Alberto
  軽蔑 (1954)/大久保昭男
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チェコ語
Hrabal, Bohumil
  わたしは英国王に給仕した (1971)/阿部賢一
Kundera, Milan ミラン・クンデラ
  存在の耐えられない軽さ (1984)/西永良成
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セルビア語
Kiš, Danilo ダニロ・キシュ
  庭、灰 (1965)/山崎佳代子
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ポーランド語
Kapuściński, Ryszard リシャルト・カプシチンスキ
  黒檀 (1998)/工藤幸雄/阿部優子/武井摩利
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スウェーデン語
Tranströmer, Tomas トーマス・トランストロンメル
  悲しみのゴンドラ (1996)/石井美佐子
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デンマーク語
Dinesen, Isak イサク・ディーネセン
  アフリカの日々 (1937)/横山貞子
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ルーマニア語
Eliade, Mircea
  マイトレイ (1933)/住谷春也
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トルコ語
Pamuk, Orhan オルハン・パムク
  私の名は赤 (1998)
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アラビア語
Mahfouz, Naguib ナギーブ・マフフーズ
  カイロ三部作 (1956-1957)/藤井守男
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ロシア語
Bulgakov, Mikhail
  巨匠とマルガリータ (1967)/水野忠夫
Dostoevsky, Fyodor ドストエフスキー
  白痴(1868)
  カラマーゾフの兄弟 (1880)
Nabokov, Vladimir ウラジーミル・ナボコフ
  賜物 (1938)/沼野義充
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日本語
石牟礼道子
  苦海浄土 (1969)
大江健三郎
  万延元年のフットボール (1967)
  懐かしい年からの手紙 (1987)
川端康成
  眠れる美女 (1961)
谷崎潤一郎
  細雪(1943-1947)
峠三吉
  原爆詩集(1951)
三浦綾子
  塩狩峠 (1968)
三島由紀夫
  金閣寺 (1956)
  豊饒の海 (1965-1970)
与謝野晶子
  みだれ髪(1901)
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中国語
閻連科
  人民に奉仕する (2005)
残雪
  暗夜 (1988)/近藤直子
莫言
  赤い高粱 (1987)/吉原幸夫
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韓国語
Han Kang ハン・ガン
  「少年が来る」소년이 온다 (2014)/斎藤真理子
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ベトナム語
Bao Ninh バオ・ニン
  戦争の悲しみ (1990)/井川一久
Kim Thúy キム・チュイ
  小川 (2009)
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その他の言語
ヨルバ語
Tutuola, Amos エイモス・チュツオーラ
  やし酒飲み (1952)/土屋哲
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#Archive 投稿, 2018年6月17日
「生活は」

食パンの形をしたマグネットで冷蔵庫に貼ったスーパーのレシートから、今しがた腹の底に消えていったミルクチョコレート¥128の行を赤い水性ペンで消す。日が経つと赤色はくすんで、古い線から茶色くなっていくのだが、変に日持ちする食材が紛れこんでいると、あと一行がなかなか消えずにずっと居座ることになるから、レシートには新しい赤い線と古びた茶色い線とが無数の平行を刻んでいる。赤と茶の紙片を全身にまとい、冷蔵庫は傷ついた重装歩兵のようになりながら今日も狭い部屋に鎮座している。流しの底では一昨日の鍋の残り汁がまだ丼に満たされたままで、たくさんの小虫が溺れ死んでいるが、それは彼らが生きようとしたせいであって、わたしの生活のせいではない。

2025年3月の #読了
自分のために読んだ物があったかどうか思い出せない……。

子のために
◆しろくまちゃんのほっとけーき:わかやま けん
私の両親に買ってもらった本。繰り返しのオノマトペ、彩度が高くコントラストの強い絵と赤ちゃんが好む要素が揃っているためか楽しんで見ていた。おもちゃにしろ絵本にしろ、母が選ぶものは今のところハズレがなく、これが経験の差か……と思う。
◆ウマはかける(ハッピーセットの絵本):おおもも ようすけ
マクドナルドのハッピーセットに、おもちゃだけでなく定期的に入れ替わるミニ絵本とミニ図鑑がラインナップされていることを知り、今月の絵柄が可愛かったので貰いに行った。図鑑の方は「大ピンチずかん1・2」からの抜粋版。普段は小学館の図鑑NEOの抄録が多いようであった。図鑑も貰ったけれど字が多く細かいので、自分で楽しめるようになるまで保管。
牧場に暮らしていた馬がふと衝動にかられて走り出し……というストーリーで、面白いのは一部がAR対応となっていてスマホをかざすとイラストが動く。子は寒色の洞窟やドラゴンが出てくる赤い谷、色彩豊かで鮮やかな街なかのページなどで大きく反応していた。かわりに、淡い色彩で大人が見ると素敵な霧の平原のページにはほぼ無反応。
◆こんなかおできる?(チャイルド本社):磯みゆき
忘れていたのだが何かのアンケートに答えた謝礼として送られてきたもの。乳幼児向け絵本としてのツボは抑えていると思うのだがあまり反応が芳しくない。もう少し大きくなって、中身がわかるようになったら表情を作ったりして遊べるだろうか。
◆パンダなりきりたいそう:いりやま  さとし
人気の絵本。子供が明らかにパンダが大好きなのでパンダのものに目がいってしまう。というか書店で絵本コーナーをよく見るようになって思ったのだが、単体で絵本の主役を張っている動物は犬猫に次いでパンダが多いのではなかろうか。
話は変わるが日本にいるパンダたちが続々返還決まる。子に生きたパンダを見せられないのだなと思うと少しさみしい。私自身も見たことがない。子のための絵本とぬいぐるみで学んだのだが尾は白い。

2025年2月の #読了
子のために
プレゼントで貰ったものと、海外作品が図書館の除籍本として出ていてありがたく貰ってきたもの。
◆ぐるぐるうごく しましまぐるぐる:かしわら あきお
しかけ絵本。まだ自分では動かせず、全体的に食いつきは良くない。卵からひよこが飛び出すギミックにやや反応。
◆どんないろがすき(フレーベル社)
歌いながら見せている。鮮やかなイラストなので喜ぶかと思いきや反応薄め。
◆たべたのだーれだ?:たむら しげる
果物などに空いた穴から、食べた動物の一部が覗くしかけ絵本。真剣に見ている。もう少し大きくなったらどんな反応をするのだろう。
◆チャロとライオン:ウルフ・ニルソン、アンナ・へグルンド(絵)/オスターグレン晴子
絵が細かく彩度が低いためかほぼ興味を示さない。お話も長いので4〜5歳向けか。
◆ちいさな赤いとうだい:ヒルデガード・H・スウィフト、リンド・ウォード(絵)/掛川 恭子
寒色ベースのイラストの中で小さな赤い灯台が鮮やか。読み物としてしっかりしているので5〜6歳向けか。いい話。
◆オーガスタスのたび:キャサリン・レイナー/すぎもと えみ
虎のオーガスタスがなくした笑顔を探しに行く話。文字がイラストと呼応してダイナミックに配置されており、虎の身体のコントラストが強いためか食い入るように見ている。
◆ゆめのまたゆめ:ジャン・バプティステ・バロニアン
いろんなものになる夢を見ている犬。その正体は実は……というお話。色鮮やかなイラストの大型絵本。絵をじっと見ている。