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2025年10月の #短歌 まとめ
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#夢日記 2025年9月20日
ひどい夢だったので書き残すか悩んだが。
様々な時代と場所が入り混じっては流れてゆく。私は(珍しく)夢の中の登場人物ではなく、映画館の一席に腰を下ろして目の前を流れゆくできごとを眺めているだけの暗い意識である。
倉庫に床板だけの家がある。これから人の住処として整えられていくのだろう。太った中年の女と胡麻塩の髭を長く伸ばした男がビールの研究をしている。
場面は変わり、こわばった顔の女がいる。東南アジア系、だが連れている子供が三人いて、黒人のイメージと混じって国籍はすぐにわからなくなる。いずれにしても有色人種だ。女は少年を二人、少女を一人連れている。ひどく顔色が悪い。小さい方の少年と少女は泣いている。近くに馬に乗った男たちの気配がする。よく見ると、女の手の指は切断されている。五本中五本、それぞればらばらの長さで、短くなった指がイモムシのように動いている。十代前半に見える少年も、五、六歳に見える下の男の子の小さな手までも。少女だけは身体に傷がないが、つまり強姦されたのだろうと私の意識は解釈している。
これはひどい物語、目が覚めてぼんやり考えたことは、決して夢の中だけの話ではなく、誰かにとっての実体験であった可能性が十分にある、そういう類の話なのだ。あるいはもっとひどいことも。
ひどい夢だったので書き残すか悩んだが。
様々な時代と場所が入り混じっては流れてゆく。私は(珍しく)夢の中の登場人物ではなく、映画館の一席に腰を下ろして目の前を流れゆくできごとを眺めているだけの暗い意識である。
倉庫に床板だけの家がある。これから人の住処として整えられていくのだろう。太った中年の女と胡麻塩の髭を長く伸ばした男がビールの研究をしている。
場面は変わり、こわばった顔の女がいる。東南アジア系、だが連れている子供が三人いて、黒人のイメージと混じって国籍はすぐにわからなくなる。いずれにしても有色人種だ。女は少年を二人、少女を一人連れている。ひどく顔色が悪い。小さい方の少年と少女は泣いている。近くに馬に乗った男たちの気配がする。よく見ると、女の手の指は切断されている。五本中五本、それぞればらばらの長さで、短くなった指がイモムシのように動いている。十代前半に見える少年も、五、六歳に見える下の男の子の小さな手までも。少女だけは身体に傷がないが、つまり強姦されたのだろうと私の意識は解釈している。
これはひどい物語、目が覚めてぼんやり考えたことは、決して夢の中だけの話ではなく、誰かにとっての実体験であった可能性が十分にある、そういう類の話なのだ。あるいはもっとひどいことも。
8月の #短歌 まとめ
珈琲にミルク注げば浮いている羽虫のあった友の新盆
ヘンゼルが光る白い石撒いたように来た道に愛を撒いておけたら
お題「夏休み」
知らぬ間にとまった日々を図書館のひとの多さが夏休みにする
カブトエビ育成キット山積みで寿命はおおよそひと月とある
置き去りのハートの浮き輪しぼみつつ夏のエアーを秋まで残す
珈琲にミルク注げば浮いている羽虫のあった友の新盆
ヘンゼルが光る白い石撒いたように来た道に愛を撒いておけたら
お題「夏休み」
知らぬ間にとまった日々を図書館のひとの多さが夏休みにする
カブトエビ育成キット山積みで寿命はおおよそひと月とある
置き去りのハートの浮き輪しぼみつつ夏のエアーを秋まで残す
#夢日記 2025年8月某日
とある小さな町にいる。見渡す限り農場が広がり、狭い範囲に密集した町の中には学校がひとつ洋品店もひとつバーもひとつ、そんな田舎町だ。
年に一度、おそらくはハロウィンの時期に、住民たちが集まって収穫祭を開く。私も町の住民なのでもちろん呼ばれている。私の家族(と私が考えている人々)も参加している。私たちは身内同士小さな輪になって踊るのだが、実は、踊る人間たちのあいだに悪しきものがまぎれこんでいる。悪魔のようなもの、邪悪な存在だ。どれがそうなのかは見てすぐわかる。私たちがくるくると回りながら踊っているあいだ、彼らはじっと立ち尽くしているからだ。顔は影になっていてよく見えない。
ひとつ気をつけねばならないことがある。踊りながら、互いから手を離してはならない。はぐれた者には、邪悪な存在が速やかに近づいてくる。絶対に手を離してはならない。わかっているのに、踊りの輪が加速して、私は誰かと携えていた手を一瞬離してしまう。遊園地のティーカップのように、私の仲間たちは回転しながら離れていってしまう。慌てて追いかけようとする私の目の前に、それが、あいつが立っている。影になっていた口元が見える。笑っている。笑っている!
そのとき、誰かの力強い手が私を引き戻してくれる。私たちは踊り続ける。手を離してはならない。互いから手を離してはならない。
とある小さな町にいる。見渡す限り農場が広がり、狭い範囲に密集した町の中には学校がひとつ洋品店もひとつバーもひとつ、そんな田舎町だ。
年に一度、おそらくはハロウィンの時期に、住民たちが集まって収穫祭を開く。私も町の住民なのでもちろん呼ばれている。私の家族(と私が考えている人々)も参加している。私たちは身内同士小さな輪になって踊るのだが、実は、踊る人間たちのあいだに悪しきものがまぎれこんでいる。悪魔のようなもの、邪悪な存在だ。どれがそうなのかは見てすぐわかる。私たちがくるくると回りながら踊っているあいだ、彼らはじっと立ち尽くしているからだ。顔は影になっていてよく見えない。
ひとつ気をつけねばならないことがある。踊りながら、互いから手を離してはならない。はぐれた者には、邪悪な存在が速やかに近づいてくる。絶対に手を離してはならない。わかっているのに、踊りの輪が加速して、私は誰かと携えていた手を一瞬離してしまう。遊園地のティーカップのように、私の仲間たちは回転しながら離れていってしまう。慌てて追いかけようとする私の目の前に、それが、あいつが立っている。影になっていた口元が見える。笑っている。笑っている!
そのとき、誰かの力強い手が私を引き戻してくれる。私たちは踊り続ける。手を離してはならない。互いから手を離してはならない。
#夢日記 2025年8月14日
図書館にいる。夢で見る公立図書館や大学の図書館、書店などはいつも雰囲気が似ている。
私は何か要求があって守衛室へ行く。扉が開くなり、大柄な初老の守衛がホテルマンのような制服を身につけて立っている。守衛はにこやかに、あなた昨日もここにいらっしゃいましたよ、と言う。私は初め、そんなはずはないと否定しようとする(だってこれは夢なのだ……夢だということを夢の中の私は理解している!)だが少しずつ、自身の認識に対する疑いが首をもたげる。そういえば私は、ここへ来る夢を昨日も見たのではなかったか? 昨日なのか、二度寝をする前なのかはともかく……(などと考えてしまうところが夢の中の思考の限界だ、実際には同じ夢など見ていない)。
派手な容姿の女性に案内されて行く。百貨店の中のような高級ホテルのロビーのような。女は華やかな顔立ちをしているので、半分はご機嫌取りのつもりで、半分は本心から、貴女のような綺麗な人を忘れるはずがないから、やはり私はここに初めて来たと思う、と言う。女が何と答えたかは覚えていない。確かに知らない顔だった。
図書館にいる。夢で見る公立図書館や大学の図書館、書店などはいつも雰囲気が似ている。
私は何か要求があって守衛室へ行く。扉が開くなり、大柄な初老の守衛がホテルマンのような制服を身につけて立っている。守衛はにこやかに、あなた昨日もここにいらっしゃいましたよ、と言う。私は初め、そんなはずはないと否定しようとする(だってこれは夢なのだ……夢だということを夢の中の私は理解している!)だが少しずつ、自身の認識に対する疑いが首をもたげる。そういえば私は、ここへ来る夢を昨日も見たのではなかったか? 昨日なのか、二度寝をする前なのかはともかく……(などと考えてしまうところが夢の中の思考の限界だ、実際には同じ夢など見ていない)。
派手な容姿の女性に案内されて行く。百貨店の中のような高級ホテルのロビーのような。女は華やかな顔立ちをしているので、半分はご機嫌取りのつもりで、半分は本心から、貴女のような綺麗な人を忘れるはずがないから、やはり私はここに初めて来たと思う、と言う。女が何と答えたかは覚えていない。確かに知らない顔だった。
#夢日記 2025年8月1日
薄暗い場所にいる。あとでわかるが、そこは大型船の中である。客室が並んでいる。奇妙な造りで、茶室のように低い入り口、障子から人影が透けている。
私は母と、6〜7歳になる娘と共に船に乗っている。実際には私にその年頃の女の子はいないし、母も実際の母と同一人物なのかは定かでないのだが、そう認識している。
船の中で、何か秘密の作業に従事している。サーバー室のような暗い部屋で、モンタージュ写真、のようなものを出力して、それをさらに精密な似顔絵に加工する機械へインプットしている。客室のひとつではまた別の作業があって、作業をする自分の影が障子に透けてしまうので緊張している。
間に何かがあったのだが忘れてしまう。とにかく、私は船を脱出する。甲板に駆け上がると、外は夜だ。月が皓々と輝いている。私は飛ぶことができる。翼がある。追っ手を振り切り、月に向かって飛翔する。近づいていくと、月は惑星が直列するように重なり合った光り輝く文字たちであったことがわかる。何かのタイトルのような、話数を示しているような、でも忘れてしまった。遠くに見える都市の光をめざして飛び続ける。
薄暗い場所にいる。あとでわかるが、そこは大型船の中である。客室が並んでいる。奇妙な造りで、茶室のように低い入り口、障子から人影が透けている。
私は母と、6〜7歳になる娘と共に船に乗っている。実際には私にその年頃の女の子はいないし、母も実際の母と同一人物なのかは定かでないのだが、そう認識している。
船の中で、何か秘密の作業に従事している。サーバー室のような暗い部屋で、モンタージュ写真、のようなものを出力して、それをさらに精密な似顔絵に加工する機械へインプットしている。客室のひとつではまた別の作業があって、作業をする自分の影が障子に透けてしまうので緊張している。
間に何かがあったのだが忘れてしまう。とにかく、私は船を脱出する。甲板に駆け上がると、外は夜だ。月が皓々と輝いている。私は飛ぶことができる。翼がある。追っ手を振り切り、月に向かって飛翔する。近づいていくと、月は惑星が直列するように重なり合った光り輝く文字たちであったことがわかる。何かのタイトルのような、話数を示しているような、でも忘れてしまった。遠くに見える都市の光をめざして飛び続ける。
「静寂が」
私が誰のことも見ていないとき、静寂が私を見ている。