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No.88

車窓から #詩

あおい光が夜の奥をよぎる

ひとつ

息をする間に

またひとつ

かつて私を呼びとめたもの

朝に枯れる花のように

早くも希望の残り香を立てている

夜に属する光

人工の。


今でも私は

どうしようもなく置いてくる

ガラスを曇らす雨滴と

もはや見分けのつかぬひと雫を

闇の彼方にまたたく

踏切のあおい光のもとへ

断片