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2025年6月の投稿14件]2ページ目)

2025年6月12日 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

雨模様と妙にはしゃいだ暑さのあいだを行き来するうちに音もなく梅雨入り。

実家の庭の紫陽花が今年も綺麗に咲いた。
この紫陽花はね、と母が語るのを何度聞いただろう。ずっと前の母の日に、あなたがお小遣いで買ってきてくれた小さな株を置いておいたらね。植木鉢の底を突き破って、庭に根を張って、こんなに大きくなっちゃったんだよ、すごいよね。

昨秋に子供が生まれて(と書くのは卑怯に感じるくらい、それは私が産んだのだが)数日間NICUに入っていたのだけれど今は幸いすくすくと育ってくれている。
声を立てて笑う。はいはいをする、歌っているつもりで私の歌に合わせて声を出す、猫の尾に手を伸ばす(猫は逃げる)。
よくも悪くも、自分の命の意味が変わってしまったと思う。
「子は鎹」であるかはさておき、ふわふわ浮いていた自分の存在に打ちこまれた楔、ではある。死ねない。

死ねなくなって迎える初めての誕生月、庭の紫陽花が、地上から空へ降る雨のように咲く。強く強く土に張った根から吸い上げた雨水が、光となって天へ還ってゆく。

日記

2025年6月8日 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

2025年6月7日 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

過去の断片的な記述や詩などを、書かれた日付のとおりにパペログμへ集約しようか悩んでいましたが、 #Archive 投稿として、n年後のその日に投稿していくことにします。

運営

2025年6月5日 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

#夢日記 20250605

 食べ放題のコーナーがあるどこかにいる。料理を皿にたくさんとるが、デザートコーナーのケーキなどは食べ尽くされてしまっている。
 私は少女または少年である。気さくな男が、目の周りに赤の、頬に青いドーランのようなものを塗っている。何をしているのか問うと、別に、とか、気にしなくていい、とかそんなようなことを言う。
 男は人外の存在で、戦乱の神のようなものである。私を痛めつけた何かとの戦いに赴くつもりらしい。普段は飄々として穏やかな優男だが、今は空気をビリビリ震わせるような凄まじい怒りのオーラを感じる。私はすっかり焦って、そんなことをしなくていいと言う。戦化粧を終えた男は慈しむようなまなざしで私を見ている。
 私は男をこの場に引き止めようとする。皿に盛ってきた料理を食べ始めるが味はしない。徐々に満腹感だけを感じ始める。食べきれないかもしれないな、と思う。男が見守っている。優しい空気。少し怖いと思う。男の関心が戦いではなく今ここに戻ってきたようだと私は安堵するが、男の怒りは消えていない。神の圧倒的な力が私を守るように周辺で渦を巻いている。
 不意に私は男の腕に身を委ねたいような気持ちになる。男は運命のような、死神のような、戦勝の神のような、大きな存在である。それに身を委ねることには、諦めに似た心地よさがある。全てを諦めた私を二本の力強い腕が抱きとめる。この男はずっと私に執着していたのだと私は悟る。恐怖心を諦念が慰撫してゆく。

断片